BenRiach Distillery

ベンリアック蒸溜所

ベンリアック蒸溜所の魅力

1898年創業、スペイサイド北部のリアック農場跡地に建つベンリアック蒸留所は、美しい丘に囲まれた地域に設立されました。以下、様々な経緯を経て今に至るベンリアック蒸留所について説明して参ります。

 
(出典:COOL HUNTING)

蒸溜所基本データ

蒸溜所名
ベンリアック(BenRiach)
エリア
スペイサイド(Speyside)
オーナー企業
Brown Forman
創業年
1898年

ベンリアックとは

  •  クラシックなノンピーテッド、ハイランドピーテッド、トリプルディスティルという3つのスタイルを持っている
  • ミネラル豊富な水を利用している
  • 果実園を想起させる香りが特徴

歴史

ベンリアックというスペイサイドのシングルモルト・スコッチウイスキーは、1898年から操業停止・再開を繰り返し、様々な歴史を経て今のスタイルに落ち着いております。

クラシックなアンピーテッド、ハイランドピーテッド、トリプルディスティルという3つのスタイルのウイスキーを蒸留している一方で、世界中から集めた多彩な樽のおかげでシングルモルトの風味の可能性を最大限に追求している蒸留所の一つだと言えます。

この伝統は、マスターブレンダーのレイチェル・バリー博士の指導のもと、今日も受け継がれています。

オーナー企業

ブラウン・フォーマン・コーポレーションはアメリカの企業で、蒸留酒とワインのビジネスでは最大手の一つです。1870年創業でケンタッキー州ルイビルに本社を置き、ジャックダニエル、オールドフォレスター、ウッドフォードリザーブ、グレンドロナック、ベンリアック、グレングラソー、フィンランディア、ヘラドゥラ、コーベル、シャンボールなどの世界的に有名な複数のブランドを製造しています。

(出典:Global Drinks Intel)
(出典:Global Drinks Intel)
ブラウン・フォーマンは、2016年にベンリアックを買収しました。

紆余曲折を経て

創業者ジョン・ダフによって1898年に設立されたこの蒸留所は、当時の不況の煽りを受けわずか2年後に閉じられることとなります。しかしながら、長年にわたって製麦部門だけはある蒸留所向けに続けられてきました。

1965年、新たなオーナー企業となったグレンリベットによって操業が再開されました。1978年シーグラム社が操業を受け継ぎ、1983年に今もなお続くピーティーなベンリアックの生産が始まりました。しかしながら、1998年ベンリアックのモルティング(製麦部門)が頓挫し2002年には蒸留所の経営も上手くいかなくなりました。

2003年、幸いなことにディレクターのビリーワーカー擁するイントラトレイディング社(Intra Trading)によって買収されすぐにウイスキー販売が再開されました。

2008年にはグレンドロナックを買収し、2013年にはベンリアックのフロアモルティングが再開されました。また、同じ年にグレングラッサを買収しております。

そして2016年、ブラウン・フォーマン社によって買収されました。

ブランディング

スペイサイド北部の旧リアック農場跡地に建つベンリアック蒸溜所は、その地下深くにあるミネラル豊富な帯水層から水を引いています。

大麦のデンプンを発酵可能な糖に変える工程「マッシング」では、通常3回行うところを4回に分けて行っています。この工程は時間がかかりますが、大麦の甘みを最大限に引き出すことができると言われています。いわゆる「フォー・ウォーター・マッシュ」と呼ばれている製法です。

この工程によって引き出される大麦の高い甘みと、ミネラル豊富な清らかな水によって、果実味豊かなウォッシュ(糖液にイースト菌を加えた「もろみ」であり、蒸留対象の物質) ができあがります。

これらの要素がベンリアックの特徴を生み出していると言えるでしょう。

味と品質

口当たりが良く果実園を想起させるようなフルーティー感が特徴。

3種類のウイスキー

ベンリアック蒸溜所では、スペイサイドクラシック、ハイランドピーテッド、三重蒸溜という3つのスタイルのウイスキーを製造するという、型破りなウイスキーづくりの手法を採用しています。

スペイサイドクラシック

止まっている物体をゆっくり撮影するようにマッシングすることによって、より長く引き立つような「味のコア」を抽出しています。
そうすることで、スピリッツに含まれるエステル化合物を最大限に引き出し、果実のような風味に変化させることができると考えられています。

三重蒸留
1990年代、ベンリアックは少量生産の三回蒸留の実験を始めました。多くの蒸留所は2回蒸留が採用されていますが、この蒸留所は年に一回この伝統製法を行っています。三回目の蒸留はベンリアックの果実味溢れる特徴を引き立たせ、とても口当たりの良いスムースさを創出します。この少量生産のスタイルは徐々に確立しつつあります。

ハイランドピーテッド
年に一度、スペイサイドの伝統としては珍しいベンリアックのピートスピリットを蒸留しています。ベンリアックではこの蒸留を行う期間を「スモークシーズン」と呼んでいます。ピートスモークの豊かな香りが蒸留所内を包み込む期間です。彼らの調査によると、ベンリアック蒸留所はスペイサイドで最も古く、最も希少な1975年のピーテッドスピリッツの在庫を保有してるそうです。この風味は、リスレーの原料として有名な西海岸の薬用ピートとは異なると言われています。

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