Clynelish Distillery
クライヌリッシュ蒸溜所
クライヌリッシュ蒸溜所の魅力
品質にこだわる職人技が産み出す通好みのなめらかでこくがある味わい。スコットランドの北ハイランドに位置する「クライヌリッシュ蒸溜所」の魅力に迫ります。
蒸溜所基本データ
蒸溜所名
エリア
オーナー企業
創業年
クライヌリッシュとは
- 品質にこだわる職人技が産み出す通好みのウイスキー。
- ジョニーウォーカーのブレンド用モルトとしてクライヌリッシュの約95%使用。
- 1983年に閉鎖した隣接する蒸溜所「ブローラ」が38年ぶりに蒸留を再開
歴史
「クライヌリッシュ」は、1819年にスタッフォード伯爵、後のサザーランド公爵によって、領地内の大麦消費拡大と領地内の密造酒駆逐を目的に創設されました。
1967年には、ブレンド用原酒の需要増加に伴い近代化された蒸留所を建設し、生まれ変わりました。また、旧蒸留所のブローラは2021年(38年ぶり)に蒸溜を再開しました。
所有者の変遷
1819年 第2代スタッフォード侯爵、後の初代サザーランド公爵により設立。
1824年 蒸溜所は幾人もの手にリースされ始める。
1896年 グラスゴーのブレンダー会社ジェームス・エインズリーが蒸溜所を取得し同年改築。
1912年「エインズリー社」が破綻し、蒸溜所はDCL(Distillers Company Ltd)とジェームス・リスクの共同所有となるが、1925年頃にはDCLが単独オーナーとなる。
1987年 DCLがギネスグループに買収されUD(ユナイテッド・ディスティラーズ社)となる。
1997年 ギネスグループとグランド・メトロポリタン・グループが合併しDIAGEO(ディアジオ社)が誕生し現在に至る。
ディアジオ社は約30カ所のスコッチウイスキーの蒸溜所を所有。
新蒸溜所とブローラ
クライヌリッシュ蒸留所は1819年に創業。1960年代になるとブレンド用の原酒需要が増大し、生産量を増やす必要があった為1967年に蒸溜所を建設しました。この蒸留所は、クライヌリッシュの蒸溜所として今日まで生産を続けています。
当時、2つの蒸溜所は味を完成させるために暫くの間クライヌリッシュA、クライヌリッシュBとして並行して稼動していましたが、翌年には古い方の蒸溜所を閉鎖しました。
その後、同じDCL(現ディアジオ社)所有の「グレンギリー蒸溜所」の閉鎖に伴い、ピーテッド原酒不足を補うため、旧蒸留所は「ブローラ」と名前が改められて蒸溜を再開。約14年稼働しましたが、ウイスキー不景気の到来で1983年に閉鎖となりました。
2017年、世界的なウイスキーブームを受けて、ディアジオ社は「ブローラ」の再稼働を決定。38年ぶりに「ブローラ蒸溜所」が再稼働しました。
ブランディング
現在のクライヌリッシュは、「ハイランドにおけるジョニーウォーカーの故郷」として売り出されています。原酒の約95%がジョニーウォーカーに使用されており、特に、ジョニーウォーカー・ゴールドラベルでは重要な役割を果たしています。
クライヌリッシュの唯一無二といわれる舌触りに、ハチミツやトロピカルフルーツのような香味です。ジョニーウォーカーに不可欠な酒質と香味であると言われています。
95%がブレンド用に使用されている為、シングルモルトウイスキーとしての出荷数が少なく「シングルモルト クライヌリッシュ」は非常に稀少価値の高い商品となっています。
その他、オロロソシェリー樽で一定期間の後熟を施した「ディスティラーズ・エディション」、「クライヌリッシュ・リザーブ・ハウス・タイレル・ゲーム・オブ・スローンズ限定エディション」、ディアジオのハイエンドコレクション「プリマ&ウルティマ」に含まれる「クライヌリッシュ 1993」もあります。クライヌリッシュの魅力が絶頂に達した風味とされ、相応の高値が付けられています。
味と品質
唯一無二といわれる舌触りに、ハチミツやトロピカルフルーツのような香味。
ワックス(蝋)のような口当たりを持つスピリッツは、ディアジオ社保有の蒸溜所の中でクライヌリッシュのみでかけがえのない存在です。
澄んだ水を使い、長期間の発酵を行い、蒸留では銅の役割を最大限に生かして製造されています。
成熟したモルトは、蝋のような質感を保ちながら、柑橘系の香りや、時にはミネラルやオゾンのニュアンスも感じられる、口当たりの良いテクスチャーに仕上がっています。